1、離婚が決まったら、するべきこと
離婚は、離婚届を市役所に提出すれば成立します。
ですが、離婚届を提出するのは、ちょっと待ってください!
養育費の支払い条件は、きちんと決めましたか?
口約束だけでなく、書面にしましたか?
払ってもらえなくなったときのことを考えていますか?
離婚によって、あなたの生活状況は、ガラリと大きく変化します。
特に、未成年のお子さんがいらっしゃる場合は、離婚届を提出する前に、以下のことを決めておかないと、後で、後悔することになってしまいます。
決めておくべき内容とは・・・
1、財産分与
2、年金
3、慰謝料
さらに、お子さんがいる場合は、
4、親権者
5、養育費
6、面会交流
7、お子さんの姓(苗字)
以上7点です。
これらのことを、きちんと書面に残さずに離婚した方の多くが、
養育費の支払いをしてもらえずに、後日、相手方へ裁判を起こすことになったり、生活保護を受けざるを得ない状況に陥ったりしています。
現に、厚生労働省の調査によると、養育費の支払いを受けられていない母子家庭の方は、5人のうち、4人にも上るのです。
ですから、上記7項目について、夫婦できちんと話し合い、
さらに、書面(「離婚協議書」)で、残しておくことをお勧めしています。
2、離婚協議書作成のポイント
1、財産分与
財産分与とは、結婚してから、夫婦で築いた財産を分けることです。
マイホームや、銀行の預金、家具、電化製品などが対象になります。
マイホームを財産分与で譲り受ける場合は、所有権移転登記をしなければなりません。
結婚前から所有していた財産や、相続・贈与によって取得した財産は対象になりません。
「Bは、Aに対し、財産分与として、下記物件目録記載の不動産の共有持分全部を分与することとし、本日付で財産分与を原因とする共有持分全部移転登記手続きをする。」
2、年金
離婚時の年金分割制度というものがあります。
特に、専業主婦の方は、将来もらえる年金について
きちんと決めておく必要があります。
3、慰謝料
離婚になった原因が相手にある場合は、
慰謝料を請求できます。
4、親権者
未成年のお子さんがいらっしゃる場合は、離婚後に、夫婦のどちらが、親権者となるかを決めます。
「当事者間の長男C(平成〇年〇月〇日生)の親権者を母Bと定め、今後、同人において監護養育する」
5、養育費
お子さんの養育費や、学費などについて決めます。
大学卒業まで支払ってもらうことや、大学の入学金や授業料などを月々の養育費とは別に、負担してもらう内容にもできます。
「Bは、Aに対し、長男Cの養育費として、平成〇年〇月から同人が満20歳に達する日の属する月まで、1か月3万円を、毎月末日限り、長男C名義の〇銀行〇支店普通預金口座(番号〇〇〇)に振り込む方法により支払う。」
6、面会交流
親権者にならなかった親と、お子さんとの面会の頻度を決めます。
養育費をきちんと支払ってもらうためにも、月1回程度の面会を認めることをお勧めしています。
「Aは、Bが、長男Cと、月1回程度、面会交流することを認める。」
7、お子さんの姓(苗字)
離婚すると、妻は、結婚前の姓に戻ります。
妻が、お子さんの親権者となる場合、お子さんと姓が異なってしまいます。
妻が、離婚後も、お子さんと同じ姓にしておきたい場合は、離婚届の提出から、3か月以内に市役所に届け出ることによって、結婚時の姓を使い続けることが出来ます。
もし、妻が、結婚時の姓を使いたくない場合は、上記の届け出をせずに、結婚前の姓に戻り、お子さんのの姓については、裁判所に「子の姓の変更許可の申請」をすることによって、お子さんの姓を、妻と同じにすることができます。
3、離婚協議書は、公正証書にしておきましょう
公正証書とは、公証役場で作ることができる公的な効力を持った書面です。
公正証書にしておくことにより、万が一、養育費や財産分与の支払いが滞った場合など、協議内容が守られなかったときに、相手の給料や預金を差し押さえることができるのです。
これは、裁判で勝つのと、ほぼ同等の力があるといえるほど、強力な書面なのです。
4、司法書士大津法務コンサルティングで受けられるサポート
1、離婚協議書公正証書の作成
離婚協議書の文案の作成、アドバイス、公証役場への同行、将来、養育費等の支払いが滞った場合の、差押(強制執行)手続きの書類作成など
2、マイホームの財産分与に関する登記
マイホームを財産分与で取得される場合には、所有権移転登記をしなければなりません。
3、子の氏の変更許可申立
家庭裁判所に、お子様の姓(苗字)を変更するための申請をいたします。
離婚したから、もう相手の姓を名乗りたくないという場合があると思いますが、その場合は、お子様の姓の変更許可の申立てを家庭裁判所にすることができます。
4、離婚調停の申立書類の作成
話し合いでまとまらない場合は、裁判所を利用して、解決することもできます。当事務所で、調停の申立書類を作成することができます。
5、信頼できる弁護士の紹介
相手が話し合いに応じてくれない場合は、裁判所を通じて、離婚を進めることができます。ご本人様で動ける場合は、司法書士が、裁判所に提出する書類の作成はいたします。ただし、法律の規定により、司法書士は、離婚問題に関し、相手と交渉できませんので、ご本人様で対応できない場合は、信頼できる弁護士を紹介いたします。
離婚に関して、裁判になるのは、全体の1割程度ですから、事案により、相談される専門家(弁護士、司法書士)を選ばれるとよいでしょう。必要なサポートにより、費用も当然変わってきますので、ご本人様で対応できる事案まで高額な費用を払って弁護士に依頼する必要もないはずです。
当事務所は、相談無料ですから、ご相談内容に応じ、たとえば、暴力を受けている場合や、不倫されて慰謝料を請求したい場合などは、弁護士に依頼した方が有利ですから、信頼できる弁護士を紹介いたします。
一方、話し合いで離婚は成立しているが、きちんと養育費を支払ってもらえるか心配な場合は、離婚調停の申立てをして、調停調書に合意内容を残すか、または、公正証書で離婚協議書を作成しておくと安心です。こういった文書を作成しておくと、万が一、養育費を支払ってもらえなくなったときに、給料や銀行預金を差押することができるからです。これらの手続きについては、司法書士が対応できますので、ご依頼頂ければと思います。
5、よくあるご質問
6、必要書類
ご相談に際して、お持ちいただきたい書類です。
- 戸籍謄本
- 不動産の納税通知書(マイホームの場合)
- 給与明細(相手方とご自身のもの)
- 本人確認ができるもの(運転免許証など)
- 認め印
※土日祝・時間外も、電話を転送していますので、お気軽にお電話ください。
都合により、電話に出られない場合は、留守番電話になりますので、お名前を吹き込んでください。折り返し、お電話いたします。