登記先例・判例・通達

登記先例・判例・通達

株式会社に相続させる旨の遺言公正証書は、無効?

「相続」を原因とする所有権移転登記はできませんが、無効とはならず、「遺贈」を原因として所有権移転登記の申請ができます(「登記研究第562号133頁)

特定の遺産を、特定の相続人に、相続させる旨の遺言の効力

特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡時に直ちに遺産が当該相続人に承継されます。よって、受益相続人は単独で所有権移転登記手続きをすることができます(最判平成3年4月19日民集45巻4号477頁)

オンライン登記申請時に、PDF化して送信する登記原因証明情報について

1、法定相続の場合は、相続関係説明図のみで大丈夫です。(戸籍や住民票の除票などは送信する必要はない)

2、遺産分割協議書、相続放棄申述受理証明書、特別受益証明書等がある場合には、相続関係説明図に加えて、これらの書面も送信する必要があります。(添付してある印鑑証明書は、送信する必要はない)

財産分与による所有権移転登記の原因日付について

財産分与の協議成立の日または、離婚成立の日のどちらか後の日付になります(登記研究490-146頁)。

取締役会設置会社でない株式会社において、代表取締役としての地位のみ辞任することはできますか?


代表取締役として選ばれた経緯も考慮する必要があります。


1、代表取締役が選定されておらず、取締役各自代表の場合
代表取締役としての地位のみ、を辞任することはできません。


2、定款または、株主総会の決議によって代表取締役を選定していた場合
定款変更または、株主総会での承認により、可能です。
登記申請の際には、株主総会(定款変更の決議または、辞任の承認を決議)議事録を添付しなければなりません。


3、定款の定めに基づく取締役の互選によって代表取締役を選定していた場合
辞任の意思表示のみで、辞任できます。


また、取締役2名の会社で、代表取締役が選ばれていた(定款、株主総会の決議、互選)が、その代表取締役が亡くなったときは、残された取締役が、当然に、株式会社を代表するわけではありません。改めて、定款変更や株主総会の決議、借取締役等との互選をし、前任の代表取締役の死亡による退任及び後任の代表取締役の就任による変更登記を申請しなければなりません(味村治「新訂 詳解商業登記(下巻)45頁」


さらに、定款において「取締役2名以内を置き、取締役の互選により代表取締役1名を置く」となっているが、取締役が1名しかいないときは、その者が当該会社を代表するとの趣旨であると解されるので、代表取締役が死亡したときは、残された取締役は、退任による変更の登記を、代表取締役としてすることができます。この場合、残された取締役は、代表取締役が欠けたことによって代表権が回復するのではなく、定款の定めによって代表権を有する取締役となるため、代表取締役の就任による変更の登記すべき事項は、「平成○年○月○日代表権付与」となり、定款を添付して申請しなければなりません(松井信憲「商業登記ハンドブック第2版399頁」

司法書士の訴訟代理上限額について

債務整理で代理できる訴額140万円以内については、
「相談者は、個々の債務ごとに訴えを提起するのが基本で、個々の相談者の債務ごとに考えるべき」(平成24.3.13和歌山地裁判決)

遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得る

遺産分割協議は、財産権を目的とする法律行為であるということができるからである(平成11.6.11最高裁第2小法廷判決)

相続放棄は、詐害行為取消権行使の対象とはならない

民法424条の詐害行為取消権行使の対象となるのは、積極的に債務者の財産を減少させる行為であることを要し、消極的にその増加を妨げるにすぎないものを包含しない。
また、相続放棄のような身分行為は、他人によってこれを強制すべきでないが、もし、取り消せるとすると、相続の承認を強制することと同様の結果となり、不当である(昭和49.9.20最高裁第2小法廷判決)

未払い残業代等の付加金の取り扱いについて

大阪簡易裁判所は、訴額に含める
(大阪司法書士会と大阪簡易裁判所との協議事項)

東京簡易裁判所は、付帯請求扱いで、訴額に含めない
(東京地裁労働部「労働事件審理ノート」)

債権回収中の相手方が、会社更生をした場合

「更生債権届出書」の、郵便物の受取場所を司法書士事務所として届け出ることは、特に、問題はない(平成22年11月26日日司連発1682号)

しかし、更生事件に関する以下の代理権は、司法書士の業務範囲に含まれない
債権届出
議決権行使
弁済金の受領

成年後見申立ての郵券の内訳(大津家庭裁判所)

合計4,200円(平成26年4月23日現在)

後見

1,000円×1枚
500円×2枚
100円×5枚
82円×15枚
52円×5枚
20円×5枚
10円×10枚
2円×5枚

保佐・補助

1,000円×2枚
500円×1枚
100円×5枚
82円×10枚
52円×4枚
20円×4枚
10円×8枚
2円×6枚

不動産登記オンライン申請利用促進協議会分科会における質疑応答

1、同一不動産に対し、同順位等で、抵当権を設定する場合の登記識別情報の提供方法は、2件目は前件添付で差支えない。(規則37条)


2、登記済証を提供する場合は、添付情報として登記済証(特例)とすれば、登記識別情報提供の有無や、提供できない理由を記載する必要はない