遺産分割協議した後でも 相続放棄はできるか?

司法書士

結論






原則





遺産分割協議成立後は





相続放棄をすることはできません







遺産分割協議は





相続財産の処分に該当するため





遺産分割協議をすることは





相続を承認した





とみなされ





以後





相続放棄をすることはできません




(法定単純承認)
民法第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
 

例外




被相続人と疎遠であって





多額の借金があることを知らなかったため





相続放棄ではなく





他の相続人が





遺産を取得するという内容の





遺産分割協議に応じた





などの事情があれば





相続放棄を認められることはあります

 


大阪高等裁判所 平成10年(ラ)第54号 平成10年2月9日決定

遺産分割協議は法定単純承認事由に該当するというべきであるが、
相続人が多額の相続債務の存在を認識していれば
当初から相続放棄の手続を採っていたものと考えられ、
相続放棄の手続を採らなかったのが
相続債務の不存在を誤信していたためであり、
被相続人と相続人の生活状況や
他の共同相続人との協議内容によっては、
本件遺産分割協議が要素の錯誤により無効となり
法定単純承認の効果も発生しないと見る余地がある
として
相続放棄の申述却下した原審判を取り消して、差し戻した
(家庭裁判月報 50 巻 6 号 89 頁、判例タイムズ 985 号 257 頁)

 


東京高等裁判所 平成25年(ラ)第1685号 平成26年3月27日決定

相続人が
被相続人の相続債務の存在を知らず
相続財産を相続しないとした場合
相続の承認又は放棄の熟慮期間の起算日は
相続債務の存在を認識した日とするのが相当である

判例時報 2229 号 21 頁

認めない判例もある




長男が不動産を相続する内容で





遺産分割協議が成立した後





被相続人が





連帯保証債務を負っていたことを知って





相続放棄の申立てをしたが





却下され





さらに





即時抗告も却下されてしまった事例もあります



東京高等裁判所 平成13年(ラ)第2275号 平成14年1月16日決定

民法第915条第1項所定の熟慮期間について
相続人が相続すべき積極及び消極財産の全部又は一部の存在を認識した時
又は通常これを認識しうべき時から起算すべきものと解するのが相当であるとした上
遅くとも、抗告人らが相続財産の存在を認識して
遺産分割協議をした日から熟慮期間を起算すべきであり、
同期間経過後になされた本件相続放棄の申述は不適法であるとして、即時抗告を棄却した

家庭裁判月報 55 巻 11 号 106 頁

総括






遺産分割協議をした後の





相続放棄は





原則認められません







しかしながら





個々の事情によっては





認められる可能性もありますので





どうしても相続放棄をしたい





という場合は





できるだけ早く





相続放棄の申立てをし





受理されなければ





即時抗告をして





争っていく覚悟も必要かもしれません





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