こんにちは
滋賀県大津市の司法書士・宅地建物取引士の横田聡です
何らかの事情により
過去に作成した公正証書遺言を撤回（なかったことにする）する場合
どのような手続きが必要でしょうか？
民法
（遺言の撤回）
第千二十二条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
（前の遺言と後の遺言との抵触等）
第千二十三条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
２ 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
（遺言書又は遺贈の目的物の破棄）
第千二十四条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。
撤回する場合も「遺言の方式」でする必要があります
自筆証書で作成することも可能ですが
相続開始後の混乱を避けるため
再度公正証書遺言を作成して
撤回することが望ましいと考えます
公正証書で遺言を撤回するには
通常の遺言作成の際と同様に
証人が２人必要です
遺言者は実印と印鑑登録証明書（３か月以内）を用意します
なお
当職がサポートしたケースでは
全部撤回の公証人手数料は
８,５００円でした
作成後には
従前の遺言で指定した
遺言執行者にその旨を通知しておくべきでしょう
なお
遺言を撤回（取消し）したこと自体を
撤回（取消し）しても
当初の遺言は復活しません（効力を回復しない）ので
ご注意ください
民法
（撤回された遺言の効力）
第千二十五条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。
司法書士大津法務コンサルティング
代表・認定司法書士 横田 聡
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