遺言があれば・・・

 

 

今回は、当事務所に実際にご相談いただいた

遺言があれば、スムーズに相続手続きが出来たのに・・・

という事例をご紹介します。

 

ただし、ご相談者様のプライバシーに関することですので

個人を特定できないように詳細を伏せた上で、公開します。

 

ご相談内容は、以下のとおりです。

亡くなった方名義の不動産があり、

同居していた相続人の方から、

不動産の名義変更をしたいとのご相談でした。

 

不動産の相続に関し、

亡くなった方が、遺言書を作成していない場合は、

相続人全員で、遺産分割協議をして

相続する人を決める必要があります。

 

今回は、遺言書は作成されていませんでした。

 

そこで、相続人全員を調べるために、

亡くなった方の出生から死亡までの

すべての戸籍謄本等を集めました。

 

集めた戸籍を確認したところ、

その方には、婚姻前に儲けた子どもがいましたが、

婚姻前に、すでに養子に出されていました。

つまり、相続人として、他に

いわゆる異父(母)兄弟がいたというわけです。

 

当然、相談者の方と、異父(母)兄弟の方とは

交流がありませんでしたので、

相続人の方から、

書面を送り、相続手続きの協力のお願いをしても

まったく応じてもらえませんでした。

 

こういったケースでは、

裁判所に遺産分割調停の申立をしなければ

不動産の相続はできません。

 

他の相続人が、相続分を主張した場合、

遺産が不動産だけの場合は、

不動産を売却して、売却代金から

相続金を渡すか、

もしくは、借金をして相続金を

支払わなければなりません。

 

もし、亡くなった方が、同居していた相続人の方に

不動産を相続させる内容の遺言書を作成していれば

スムーズに相続ができたはずでした。

 

以前に比べ、終活の一環として

遺言書を作る方は増えています。

上記のように、相続人が困らないよう、

遺言書を作るのは、

 

現代では、親としての務め、なのかもしれません。

 

司法書士大津法務コンサルティング

代表・司法書士 横田 聡

 

 

 

 

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